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某●形さんに影響されてw...「麻雀仕掛け人S」

麻雀仕掛け人S

   一 プロローグ

 それは、新宿の外れのとある寂れた「Z」という雀荘の2階で起こったことだ。
 南2局、中盤の巡目、狭川が親の時、珍しく長考した狭川が、首を傾げつつ、「こっちかな」とドラの中を横向きに切って、同時にリーチ棒を軽く放り投げた。
 このデカリャンピンの5万・10万のレートでは、皆、一時は勝つことがあっても、いつのまにか一人、また一人とメンバーが入れ替わる。
 狭川は、つい2ヶ月前からこの雀荘に出入りするようになった。それ以前のことは、当然自分からは話さないし、また、誰も何も聞くことはない。
下家の道上「そこまでドラ引っ張るのは、何か意味でもあるのか?」
対面の龍谷「捨牌からはチートイ臭いが、何故それで待たないんだ?」
上家の両角「そりゃリーチは無いぜ」
 皆、百も承知で狭川にカマをかけている。
 「この手だけは、邪魔されずにツモ上がりたいんだ。おりてよ」
 今の点数の状況からは、誰が満貫以上上がってもトップ目に踊り出る。ましてや、親の狭川は、黙でも十分なはずである。
 当たり前のように、誰も字牌は切らない。そして五巡後、
 「やはりいたよ」
まさしくリーチ宣言牌を静かに手前に置いた。国士無双の13面待ちだという。ダブル役満だ。
両角「おやおやガン牌かい」
狭川「いや、俺みたいな運のねえやつは、こんな無理してでも大トップとらないと勝てねえんだ」
マスターが鋭い視線を狭川にねめつけている。狭川のこのやり方は、これが初めてではないのだ。そして、この後の展開も容易に想像できた。ひたすら、狭川が勝ち続けるだけだ。
龍谷「参った。もうおけらだ」
株屋の龍谷は、懐は太いはずだが、それにしても今日は負けすぎた。持参した2束がきれいさっぱり消え失せた。
自称自営業の両角も、顔が蒼ざめ、小刻みに両足が震えている。
道上もここ数日の浮きを全て吐き出して、なお、相当の足が出たはずだ。

ここで、場面は5年前に遡る。
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by fusaimei
23:17 | 創作 | comments (8) | trackbacks (0) | page top↑